未来塾と陰謀論——芸能志望者の心を掴む危険な勉強会
こんにちは。Nの視点です。
本日は昨日に引き続き、私がかつて参加していたマルチ勧誘のフロント(入口)として開催されていた経済塾「未来塾」について書いていきます。
私が所属していたグループでは、最上位にあたる自称プロデューサーの野澤という人物が「シネマ塾」と「未来塾」という2つの勉強会を主催していました。
シネマ塾が映画・演技・芸術論やアニメについて語る場だったのに対し、未来塾では経済や貯金、開運方法、タイムマネジメントといった幅広いテーマが扱われていました。
シネマ塾と同じく参加料は初回1,000円、リピーターは500円。予約は必ず紹介者経由。
未来塾は渋谷区文化総合センター大和田の第1学習室で行われていました。
未来塾の講義はまず、
「芸術論を知らない俳優が多すぎる。芸術論において芸術の土台は経済。経済がなければ芸術はできない。だから俳優のみんなには経済を知ってほしい」
というお決まりの口上から始まります。
続いて「『ご飯を食べるために芸術活動をする人、それはうんこ製造機』と美輪明宏が言っていた」という一節が入り、経済的な基盤を作った上で“生活のためではない芸能活動”を行うよう説かれます。
そして「まずは“お金”と“経済”と“経営”と“マーケティング”を学べ」と言って、以下3冊の本が紹介されました。
・経済と経営を学ぶための『地球は「行動の星」だから、動かないと何も始まらないんだよ。』(斎藤一人)
・マーケティングを学ぶための『ジブリの哲学: 変わるものと変わらないもの』
これらの本のレビューやマルチグループ内での扱われ方については、別の記事で触れます。
未来塾の講義は、雑誌や書籍のコピーが配布され、それに沿って進行する点はシネマ塾と似ていました。しかし、振り返ってみると未来塾では陰謀論が織り込まれる頻度が高かったように思います。
たとえば「社会現象を引き起こした伝説のアニメ」として『鬼滅の刃』を取り上げた回では、
「政府が頼れなくなってきている時代に、鬼殺隊のような有志の組織が社会には必要だ。自分たちの活動も同じ」
と語られていました。映画塾や経済塾を開き、マルチで権利収入を得る仕組みを作ることを映画制作の土台づくりと位置付け、それをアニメになぞらえて正当化していたのです。声優や俳優の卵にはアニメ好きが多いため、非常に巧妙な勧誘手口でした。
シネマ塾は信頼関係を築くための場という印象でしたが、未来塾の内容はほぼすべてがマルチ勧誘やアムウェイ商品購入を正当化するための“彼らの常識”でした。今思えば、未来塾こそが洗脳の入口だったと感じます。
不思議なことに、通っている間はシネマ塾のような明確な違和感はほとんどありませんでした。しかし半年ほど経つとネタの使い回しが気になり、シネマ塾と同じく、それを気にもせず「勉強のため」と通い続ける紹介者の姿に薄気味悪さを覚えるようになりました。
今回は、未来塾が果たしていた役割と構造を共有しました。これは、誰かに勧誘された人や、誰かを勧誘しようとしている人に気づきを持ってもらうきっかけになればと思います。
勉強会前後に行われていた「質問コーナー」については次回の記事で詳しく扱います。
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